「荒木飛呂彦の漫画術」は漫画家を目指すなら読むべき必読の一冊。





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良著、良著!

良著という言葉はこのような本のためにあるのでしょう。「荒木飛呂彦の漫画術」漫画家はもちろんですがそのほかクリエイティブな仕事をしている人には必読の一冊だと思います。ブログの記事執筆にも使えるノウハウがたっぷりもう余すことなく詰まっております。

荒木氏に問いたい。こんなノウハウバラしていいの?という感慨がすごい一冊です。

そんな本書の中から特筆すべきところピックアップしてご紹介。

2015 09 14 22 29 12

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最初の一ページをめくらせろ

作品において最初の一ページがどれだけ重要かについては議論の余地はないのかもしれません。映画にしかりドラマにしかり、冒頭という部分はつかみであり読者、視聴者にとってこの後を読むか、見るかを決定する大事な部分です。

しかし、僕が気になったのはこの部分。

(前略)

そこで、売れている漫画の最初の一ページをとにかく片っ端から分析することにしました。どの漫画家も、最初の一ページは非常に気を使って描いているはずですから、作者の意図がどこにあり、どこような効果を生んでいるのかを研究することで、どう自分の作品に活かすかを考えたのです。

荒木飛呂彦氏といえばシリーズ総巻数100巻越え、累計発行部数は9000万の「ジョジョの奇妙な冒険」の作者として知られているところですが、作品のイメージとして気持ちで描く人なのかな思っていました。つまり、打算もなく感覚で描くというイメージです。

しかし、本書を読み進めるにつれてこの人は緻密な計算のもとに物語を書いていることがわかってきます。そのギャップもまた本書の面白いところでもあります。

押さえておきたい漫画の「基本四大構造」

「キャラクター」

「ストーリー」

「世界観」

「テーマ」

この四つを著者は「漫画の基本四大構造」と呼んでいます。

この4つは漫画だけにとどまらず、小説、映画、ドラマ基本的な物語には大抵当てはまる重要因子だと思います。

この4つと画力などのバランスをみながら編集者は良い漫画、悪い漫画を判断しているといいます。

しかし、著者はこのうちの一つでも特化していれば作品として力を持つとも言っています。本書の中では「こちら葛飾区亀有公園前発出所」や「サザエさん」「蟲師」などを例にとって世界観やキャラクターに特化した作品を考察してあります。

たしかにこの四大構造はバランスが取れていて全てが高い次元にあれば最強の作品に仕上がると思います。しかし、最近の作品はどこかが突出した作品が多いんではないでしょうか?

「カイジ」なんかは特にそう感じますね。世界観とキャラクターこの二つの部分に特化した作品ではないでしょうか?

少年漫画はプラス、プラスに向かわなければならない

正確に言うと少年漫画は特に、ということだと思います。基本的には前向きな漫画というものの方が人気が出やすいでしょう。

たしかに一世を風靡するような漫画はいつの時代もプラスの連鎖で物語は進んでいきます。「ドラゴンボール」然り「ワンピース」然り「スラムダンク」然り「ナルト」然りです。

プラスというアクセスは必須要素でしょう。

しかし、著者は作品の暗黒面を突き詰めるマイナス、マイナスの物語展開もアリだと語っています。

この例えが正解かはわかりませんが、「デスノート」あたりはそれに近いんじゃないでしょうか?暗黒面的にどんどんと堕ちていく人間模様は秀逸な作品だと思います。

実践編


本書の最終章には実践編と称して著者の
「漫画ができるまで」を実際の物語を用いて書いてあります。

本当に細かく書かれていて、アイディア、ネーム、コマ割りの方法から一つの物語をコマと一緒にこの時の心情であったり、散りばめられたアイディアであったり、を論理的な思考で書いてあります。

これはとても贅沢ですね。ほんとさらけ出してます。

いつも自分の周りで見聞きしたことで、「おもしろな」と思ったことをメモしておき、アイディアノートにまとめる習慣を続けています。

物語というものを作る時、これは物語だけに限らず創作物に関しては自分の体験した今までの経験から生み出させるもので、人そのものだと思います。創造物というものはフィクションでありあくまでも仮想のものを生み出すわけですが、それは全て自分の中のある種の人間性であったり人生から導き出されるものなのです。

本書では実際の編集者との打ち合わせから生まれたアイデアノートが添付されているのですが、これがまた本当に走り書きのようなもので、なんかリアルが伝わってきます。漫画家のこのような裏の部分ってなかなか見れないとおもいますので、それを見れるだけでもこの本の価値は高いと思います。

月見的(@tuki_mizu)見解

本書で実践編で紹介されている「岸辺露伴は動かない」という作品がありますが、本書を読み終える瞬間にTSUTAYAにて購入しておりましたぼくです。

なんか著者の意図に触れた後に作品をみることでグッと内容が面白く感じてしまいました。

漫画というものはその世界に没入する楽しみもありますが、この作品を呼んでこういう楽しみ方もあると新しい一面を発見できました。

なんども言いますが荒木飛呂彦のさらけ出している感がすごい本書です。ここまで明かしていいのかという漫画家の核に触れれるいい本です。

是非一読願います。読んで損はない作品です。

それでは、月見水太郎(@tuki_mizu)でした。

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