男性の看護師の比率は増加傾向にあるとはいえまだまだ少ないです。
●看護師の男女別就労人数の推移
<2008年>
女性 44万4970人 男性 2万9380人
<2009年>
女性 44万9740人 男性 3万7250人
<2010年>
女性 42万6530人 男性 3万7110人
<2011年>
女性 48万190人 男性 4万580人
<2012年>
女性 54万8800人 男性 4万3150人
出所/厚生労働省の賃金構造基本統計調査
これの水位で行くと増加しているとはいえ男性看護師の比率はまだ10%を超えていません。
女性陣に戦いを挑んだら9対1と多勢に無勢。なので男性看護師の働くインフラの設備はそんなに整っているとは言えません。
僕が看護師として生きてきて、今から看護師として働こうと考えている方々に伝えたいことをちょっと考えみました。
image by JD Lasica
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白衣の戦士として働ける戦場は増えている。
前述しましたけど、インフラの整備は整っていないとはいえ昔のように男性看護師は精神科だけ、という偏ったイメージは払拭されつつあります。
いまや総合病院内を見渡せば各病棟に1〜3人の男性看護師がいることでしょう。もはや働きづらいのは小児科や産婦人科ぐらいではないでしょうか?
とはいえ、女性と男性の看護師の間に隔たりがあるのは事実です。
ではどんなところが男性に不利なのでしょう?
羞恥心を感じるケアや介護
診療科にもよりますが、この高齢化社会入院している人は60〜70を超えた高齢者多いのですが、やはり羞恥心を感じるケアや介護の面では男性ではカバーできない部分が多いです。
これは僕が看護学生時代に臨床実習中に体験した出来事です。
ある患者さん(80代女性)がトイレへの誘導をナースコールで訴えられました。
行きは女性看護師の方がトイレまで誘導し「終わったらナースコールを押してくださいね」と声をかけました。数十分後トイレのナースコールがなります。
その時最初に対応した女性看護師が他の患者のケアを行っており手が離せず、その病棟の男性看護師が対応に向かいました。
男性看護師がトイレへ向かい「終わられましたか?」とドア越しに声をかけると
「なんで男の人がくると!」
と大声を出されました。男性看護師は「すいません!」と返答し、他の女性看護師にトイレからの誘導を代わってもらっていました。
僕はただの学生のたまたま近くにいたのでこの状況を見ていたのですが、初めて「あぁ、男の人だとできない部分ってあるんだな。」とすこしショックを受けたものです。
高齢者の方では同じような対応をされても気にされない方もいらっしゃいます。寝衣の交換や清拭、果てはお風呂の介助まで男性の看護師でも快く受け入れらる方はいます。
それでも女性は心では受け入れられない部分もたくさんあると思います。それはその人自身の思いなので病院として医療従事者としてその感情を受け入れ、より良い生活を送ってもらうためにケアを合わせていかなければなりません。
それでも憤りを感じることはあります。
実習中は産婦人科の実習も行きます。
先ほど話した内容とすこし関連がありますが、看護学生の中で一番きついのがこの臨床実習です。
大学や専門学校で多少の違いはありますが、ほぼ一年いろいろな病院で実習を行うことになります。
それでも全ての科を回れるわけではありません。しかし、幾つか必ず回らなければならない実習先がありますその一つが産婦人科なのです。
産婦人科実習ほど羞恥心を気をつけなければならない実習先はないでしょう。女性を年齢で分ける訳ではないのですが、下手をすると同年代の妊婦さんもいます。
正直普通のケアで男性看護師ができることはほとんどありません。なので大抵の学校の場合女性と二人一組となり一人の妊婦さんを見ていきます。これは結構やりづらいです。妊婦の情報一つ取るのもチームを組んだ女性に頼ることになりますし、ケアももちろんそうなります。
実習期間自体1〜2週間と短いものの(通常一クールで3〜4週程度)そのほとんどを廊下で立ちっ放しだったのを覚えています。
これも結構つらい思い出です。
男女差別を訴えたい訳ではないですが必ず差はできます。
実習を終え働き出すとそれは如実に感じることになるでしょう。僕が卒業する時ある看護師さんからこう言われました。「男性看護師は女性看護師よりも頑張らな追いつけないよ」と、これはもう20年近く男性看護師として働いてきた人から言われた言葉です。
最初のスタートラインで男性看護師というのはある意味でハンデを持っているのと同じです。前述してきた内容はほんの一部ですが、同じ仕事をしていても必ず差がついてきます。
この言葉をどう受け止めるからはその人次第ですが、僕も経験を積んでいくうちになんとなく理解できてきました。同じではいけないと。
幸い、看護師という職業(これは医療従事者全体に言えることですが)は日々勉強、継続的に新しい知識を取り入れなくてはなりません。そしえ驚くほど多くの勉強する機会、場があります。しかし、その勉強をする場はほとんどに主体性が必要なります。
最初はあまり変わりませんが、5年経ってくると大きく変わってくるのが知識欲です。
一年のうちに勉強会や研修に参加する人はどんどん参加していきますが、しない人はほとんどしません。
医療技術が進歩する中で看護師のケアもどんどん進化していきます。5年前に当たり前だった行為は5年後には全く変わってしまうことだってあります。そして差をつけるのはここだと僕は感じています。日々の業務で疑問に思ったことはそのままにせず、院内でわからなければ院外でどんどんと新しい知識を吸収すること、そしてそれを臨床の現場で活かすこと、ここをやるかやらないかは本当に大きな差になります。
そうやっていくうちに周りからも認められるようになるはずです。それだけ頑張っても認められない場合はその環境自体に問題もあるでしょう。その時は別に移ることも考えてもいいでしょう。幸い看護師は就職を選ばなければ仕事は腐るほどあります。
月見的(@tuki_mizu)見解
なにか取り止めのない記事になりましたが、今から看護師を目指そうとしている男性看護師になにか伝えれることがあればと思った次第です。
看護師は学生時代も卒業してからも大変です。
特に男性の看護師はさらに大変だと僕は思います。もう少し男性看護師の比率が増え、世の中のイメージが払拭できれば変わってきますが、個人の小さい病院だといまだに男性看護師は受け入れられないところあります。
そういう点を踏まえて、それでも看護師を目指そうと考えている方で悩みがある方は(@tuki_mizu)までなんでも相談に乗りたいと思います。
もちろんやりがいはあると思います。
それでは、月見水太郎(@tuki_mizu)でした。
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