看護師さんがなぜ物品の管理やコストに関わるべきなのかということが、まだまだわかっていない人が多いので何度でも書いておきます。
看護師が看護だけをやればいい時代は終わりました。
今からの看護師さんは看護以外の仕事をどのようにやっていくのかが重要になっていきます。
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購買部が行うコストマネージメントの非効率性
どのような名称かはその病院や施設によって違いがあるとは思いますが、その病院全体の物品を管理している部署があると思います。
今回は名称の統一のために「購買部」という名前にします。
購買部は病院の中の全ての物品の納入価格や年間の納品数、償還価格との差益などは把握されていると思います。実はこの把握というものをできていない病院もあるのですが、ここでは把握しているという前提で話していきます。
購買部がコストマネージメントを行う場合に病院で起こりうる障壁は部署とのやりとりです。
例えば滅菌手袋のメーカーの種類が統一されておらず一つのメーカーへと統一し管理コストや納入コストを下げたいと購買部が打診するとします。
規格は同じで、コストの安いものを選定したとしても現場での使い勝手や機能性までの判断はできません。
そのために、現場レベルで「使えない。」などと判断されなかなかコストカットが狙えないということがあると思います。
鉛筆一本なら使えなければ戻せばいいだけの話ですが、医療材料の場合はそれがなければ処置ができない治療ができないということもあるので、購買部判断でのコストマネージメンどがうまく行かないのです。
各部署に選任をおく。
その橋渡しとしてコストマネージャーという形で各部署に選任を置くことで「仕事化」すれば責任も生まれ、円滑にことが運びます。
購買部から値動きのない商品の見直し打診やサンプルの提供→現場での使用→部署のフィードバック→採用
などのように流れが生まれます。
このフローを作ることが大事です。あとは部署にもコスト意識を持たせる。看護師のコスト意識というものは低いです。看護師に限らずお金の勘定をしない部署というのは自分の給料や働きやすさに変化がなければコスト意識などもちません。
なのでそういう意識を持つために役割を与えることが大切なのです。
負担を増やすのではなく仕事量を調整することが必須。
こういう関係の記事を書くと必ず意見として上がるのが「仕事の負担が増えるだけ。」「ただでさえ忙しい看護師の仕事をまだ増やすのか。」
などなどと思考停止した人たちが寄ってきますが、仕事を増やすことしかできない病院組織は無能だと思います。
看護+αのメリットがあるのだったら組織はその仕事を増やすのではなくて調整するべきなんです。
例えば週に一日はコスト関連の仕事をする、でもいいし、毎日1時間必ずその時間が取れるように仕事を調整するでもいいんです。
組織はそこにメリットがあるならリソースを割くべきなんですよね。それができてない組織のコストマネージメントがよくなるわけありません。
やれば変わるコストマネージメントの効果。
年間数百万円をドブに捨てているい人を見たらあなたはどうしますか?
もちろん止めるでしょう。それが自分の病院ならなおさらですよね。
材料を見直したことがない病院は一度やってみればわかります。こんなに簡単に100万円も経費削減できるの?
って感じです。
特別難しいことはありません。業者に値段の見直しをお願いします。とそれだけ伝えればいいのです。
騙されたと思ってやってみればいいのです。素人でもできるレベルの交渉で年間の経費は面白いように削減できます。
まとめ・最後に言えること。
病院という組織は今までどんぶり勘定でも経営できてきました。それだけ病院って儲かっていたんですよね。
しかし、これからの時代は違います。クリニックを始めとするいろいろな病院で潰れるところが増えてくるでしょう。どんぶり勘定で経営できる時代は終わりました。
そのためにコストマネージメントを意識した医療というものは必要になってくると思います。
それでは、月見水太郎(@tuki_mizu)でした。
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