最近思うのは、「本を読む」という行為が、どれだけ有益かを理解できていない人が多すぎるということです。
そのためと言ってはなんですが、読書の啓蒙活動の一環として僕も記事の一つでも書いてやろうと画策していたんですが、めちゃくちゃいい本に出会ったので、読書の良さをこの本と照らし合わせつつ書いときたいと思います。
藤原和博さんの「本を読む人だけが手にするもの」という本なんですが、なぜ読書をするべきなのか、ということがとてもわかりやすく書かれています。
本を読む人にだけ「訪れる風景」と「手にするもの」について知りたくはありませんか?
本を読む人の割合。
男性の方も女性の方も、一月に1冊程度の本を読む人の比率は50%ぐらいだそうです。(参考:あなたの読書時間、世の中と比べてみませんか? – honto+)
さらに読んでいるという人の中で、読書時間のアンケートを取ると平均して30分前後という結果になったそうです。
はっきり言って少ないですね。
毎日200冊あまりの本が出版されている中で、全体の半分ぐらいしか本を読む人がいないということです。
さらに1ヶ月に1冊というのはかなりハードルの低いところだと思いますので、常習的に本を読む人というのはさらに少ないと思っていいでしょう。
本を読む人だけが手にするもの。
本を読むための本を読む。
ある種矛盾するような行為ですが、これ非常に大事。読書をするにあたって必要なのは、本の読み方とその重要性の理解なんですよ。
小学校で「本を読みなさい」という教育は、先生のありきたりな言葉とともにどこそこで聞こえます。
しかし、なぜ本を読むことが重要であるのかを説いてくれる教師の少ないこと少ないこと。
ただ「本を読め」と言われて、「はい読みます」と読書家になる人はそうはいません。
本を日常的に読むようになった人や、読書家と呼ばれる人はすべからくして「本を読む」という行為がどれだけ自分にプラスになるのかを知っています。
そのため、本を読む前にその本の必要性を理解するということが大切なのです。
読書をする必要性。
人生の糧を得る手段として読書をする必要性があり、教養を磨く必要があるのだ。
筆者の藤原氏は、「幸福は多様化しさらに自分で決めるような時代になっている」と現代を語っています。その中で、その幸福論は誰が教えてくれるわけでもないとも語っています。
これは非常にうなづけます。
昔は企業に就職し、結婚をし、子供を産み、家族を形成するというわかりやすい幸せで溢れていたと思うのですが、それが幸せで、そうあるべきだと言う意識もこの日本には蔓延していたとも思います。
だけど今は、自由を意識することが多くなっているのです。
「結婚をせず自分を制約しない生き方。」
「仕事ばかりに息を詰まらせないで、低所得で自由に生きる生き方。」
一昔前では敬遠されがちな生き方が、今では当たり前の世の中になっていて、それが幸福だと考える人も多くなっているんです。
今までは、ある意味遺伝子的に「幸せ」という形が刻まれていたのですが、自分の生きてきた経験や知識が元になって幸せを形作っていくようになってきました。
そんな「幸せ」の考え方を作るために読書というものが必要になるんですよね。
これすごいわかります。
インターネットと本の情報の違い。
「ネットだとキーワードで調べたものしかヒットしないという面があるのに比べて、本は検索では結びつかないようなものを拾ってこられる」
「ネットがあるんだからわざわざ本をで調べる意味ないじゃん?」
という意見をたまに耳にしますが、インターネットの情報と本から得られる情報には、その情報に差異がなかったとしても得られ方違うんですよね。
グーグルの検索エンジンが良くなれば良くなる程、検索した語句を中心にした情報が集まるインターネット対して、本はその著者の考えから派生した色々な情報が入ってきます。
例えば「お金持ちになる方法」という本を買ったとしても、その中には純粋にお金を得る方法が書いて有るかもしれませんが、そのほかにその著者の普段の本の読み方や政治的な意見など全然別の内容のことも書いてあります。(言い切ると語弊があるかもしれませんが、そういう本は多いです。)
題名と全然違う内容が半分くらいあるじゃん!って感じの本は腐るほどあります。というより、一つの内容に絞って徹頭徹尾書いてある本の方が珍しいと僕は思います。
そのため、思いもよらない情報が読書によって自分の中に入ってくることがあるんですよ。
読書はこれがあるから面白いんです。
本を読む人、読まない人の差は年収にも現れる。
言い切っちゃましたが、これもまた絶対的だと思いますね。
著者は時間給が一万円を超える人たちのことをエキスパートと呼んでいるそうです。
私の感覚でいえば、弁護士、コンサルタント、医師などのエキスパートでありながら本を読まない人に、これまで会ったことがない。なぜなら、知識はつねに入れ替わっていくもので、最新の情報を持っている人しか顧客の期待に応えることができないからだ。
これも真理です。
もちろん本を読まなくてお金持ちの人もいるかもしれませんが、割合でいけば必ず読書をやっている群の人たちの方が、読書していない人たちに比べると年収が高いはずです。
僕も仕事柄医師との関わりが多いですが、読書をやっている人は多いと思います。
読書をするだけで20人に1人以上の逸材になれる
先ほどの月に1冊の本を読む人の割合は50%でした。
さらに別の統計では、週に1冊以上の本を読む人の割合は(漫画・雑誌を除く)18%とあります。
もちろん月に2,3冊という読書習慣の人も含めるともっと割合いが増えるのでしょうが、僕は読書で得られる教養に、人との差が出てくるのは週に1冊読むというのが最低ラインだと思っています。
できれば1日1冊読みたい。(これは僕のただの願望ですが)
つまり、読書をすればこの上位20%に入れるんです。
間違いなく隣にいる誰かと差がつきますよ。また、僕は思うんですが、普通の働いている職場の人たちだけで統計とったらもっと少ないんじゃないかと思います。(基本的に富裕層に読書家は偏っているはず)
僕の中では体感的に5%もいればいい方かと。3日に1冊レベルで読んでる人なんてざらにはいませんよ。
つまりそれは20人に1人の逸材なんです!
本を読む時間がない人へ。
「本を読む時間が無い。」というのが読書ができない理由に多いようです。
そんな方のために、変にルールを決めないで読むことが重要だということを言っておきたいとおもいます。「本の読み方の注意点!読み飛ばす勇気と読まないという選択肢を必ずどこかに置いておく。」こちらの記事でも書いていますが、面白く無いところは読まない。
それぐらいアバウトな感じで読書は成立するのです。
それでも要点だけは押さえておきたいと思っている人は「flier(フライヤー)」というサービスがおすすめです。
flierのレビュー記事は「「flier フライヤー」本の要約サービス。料金や実際に使ってみて評価してみました。」にくわしく書いてありますので、読書の時間の無い方はこちらの記事もどうぞ。
「本を読むときに人だけ手にするもの。」に言えること。
さらっと読書をするだけで、かなり人との差が付けれそうな雰囲気は伝わったかなと思います。
本は偉大ですよー。たった1000円前後で行ったことのない世界や自分では思いつかない思考にどんどん触れることができるんですから。
池上彰氏も本の中で学生時代の自分に声をかけるなら「もっと本を読みなさい」と伝える、と書いているのを読んだ事があります。
読書は偉大です。どんどんやるべきですね。
それでは、何か本を読むきっかけになれば、月見水太郎(@tuki_mizu)でした。