病院のコスト管理が甘すぎるという話を幾つかしてきたけど、この前物品に関してあるおどろきがあったので記事に書いておこうと思った。
思い込みって怖いなー。ガーゼのコストのおかしなはなしという回。
以前のコストネタや看護師関連の記事も結構たまってきているな。少しでも医療関連の人に届けばいいけど。
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ガーゼの滅菌、未滅菌に関するコストの不思議
先日病院で使っているガーゼに関してコストを見直してみようと試算を出してみたときにおどろきの事実が浮き彫りになった。
未滅菌のガーゼと滅菌済みのガーゼの価格がほとんど変わらない!
という事実である。
普通に考えれば、まず滅菌されているものの方が高価なのは明白。未滅菌のものと滅菌されているものにコスト差が生じるのは当たり前だと思っていた。
しかし、事実が異なっていた。
実際に試算するとこんな感じ。
これは厳密な数値ではないんだけど、わかりやすいところでまとめてみた。
コスト名 | 未滅菌 | 滅菌 |
---|---|---|
総計 | 1850円 | 1000円 |
ガーゼ本体 | 850円 | 1000円 |
滅菌代金 | 400円 | 0円 |
人件費 | 600円 | 0円 |
試算は1パック5枚入りの20セット(つまりガーゼ100枚分)で計算をしてみた。
ガーゼの本体の代金で言えば150円程度未滅菌の方が安くなっているけど、未滅菌のものは個包装されていないため、手作業でEOG用の包装を施さなければならない。さらに、EOGにかける代金もなんとなく見積もってそれを足してある。
人件費はガーゼ枚数を数え個包装するための時間などを時給換算したものである。
驚愕である。人件費はおろか、EOG滅菌する時点で価格は逆転し人件費も含めると倍近く未滅菌のものの方が高くなっている。
あれ、これ滅菌されているものを買った方が全然お得じゃん!
すぐさま切り替えたことは言うまでもないが、試算してみてびっくりの事実だった。
滅菌済みの方がなぜ安い?
ガーゼに限らずディスポーザブル製品などの滅菌済み商品は「高い」という認識は一度改めた方が良いと思う。
今回のこのコスト差がなぜ起こったのかは市場の需要が滅菌済みガーゼの方が主流になっているためである。つまり、未滅菌を自分の病院で手作業でパッキングしているところが少なくなっているのだ。
需要が多くなりある程度の供給量があれば価格が下落するのは当然で、それに気づかずに現状のままにしていると痛い目をみる、ということ。
ここ数年で病院で採用されている物品の傾向ががどんどん変化している。どんどん使用する物品も変化してきていることに敏感にならればならないと感じた。
月見的(@tuki_mizu)見解
やはりどの分野においても情報というものは非常に重要で知ると知らないとでは天と地ほど差があることを再認識した。
卸業者やメーカーは自社にとって損する情報などはあまり教えてくれないみたいだ。(利益を追求するならあたりまえなんだけど)
だから自分で調べるしかない。コンサルとかが入っている病院は情報が入ってくるんだろうけど、やはり民間の小さい病院はそこまで進んでいないだろうから、自らで勉強するほかない気がする。
ちょっと他のものを見直すべきなのかもしれない。
それでは、月見水太郎(@tuki_mizu)でした。
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